〈P.M.Sum12〉第2講:プレクシャ瞑想の基本構成
Contents
1.プレークシャー瞑想の目的地
2.プレークシャー瞑想の基本構成
3.効果を引き出す5原則
4.インフォメーション
1.プレークシャー瞑想の目的地
プレークシャー瞑想の基本構成をみていく前に、そもそもなぜプレークシャー瞑想をするのか、つまりプレークシャー瞑想の目的地について確認します。
●プレークシャー瞑想の目的地は『解脱』
プレークシャー瞑想では魂の存在を認めていて、純粋な魂に汚れ(カルマ・業)が付着することで何度も生まれ変わってしまうという思想があります。この生まれ変わりの思想のことを『輪廻転生思想』とか『カルマ論』、『因果律』などと言ったりして、プレークシャー瞑想のバックボーンであるジャイナ教にだけでなくインドでは一般的な思想です。この生まれ変わりは『苦しみ』とされています。
そこで、汚れ(カルマ・業)を無くしてしまえば生まれ変わることなく苦しむこともないのだという考えに至るのです。そうです、これがプレクシャ瞑想の目的地です。生まれ変わりがなくなった状態を解脱(モークシャ)と言いますが、解脱がプレークシャー瞑想の目的地なのです。
●輪廻転生思想・解脱思想を日常に適用すると➡日常をより良くしていく
「えッ?プレークシャー瞑想って解脱するためにやるんですか?」と言われるとハードルがとても高くなってしまいますが、一般市民に適用するなら、「普段の生活や仕事などで、大なり小なり繰り返している過ちとかトラブルってあるよね?それに気づいてできるところから是正しようよ。そうすれば今よりもうちょっと良くなるよね?」ということです。
◇悪習慣に気づいて直していく
◇人間関係を改善・見直していく
◇健康にしていく
◇仕事をもっと効率的に
という感じでご自身の抱えている課題やトラブルの原因について気づきを促し、それらをより良くしていくためにプレークシャー瞑想をしていけばよいと思います。
2.プレークシャー瞑想の基本構成
①カーヨーッツアルグ―身体の完全リラクゼーション
からだの各部位に「リラ~ックス」と呼び掛けて自己暗示をかけて身体をリラックさせていく技法です。心理療法の自律訓練法がこれに近いです
②アンタルヤーットラー―内なる旅
哲学的には生命エネルギーの流れを良くしたり充実させたりしていく技法です。深い瞑想にはエネルギーが必要なためこの技法で生命エネルギーを産出します。その際に尾骨ー脊髄ー頭頂部と通っているスシュムナー・ナディー内で意識を上下させるので、生理的には脊髄を通っている中枢神経(感覚を感じてそれに基づいて適切な行動をするといった働きを担う)や自律神経の働きが活性されたり安定したりします。
③シュワース・プレークシャー―呼吸の知覚
今この瞬間に起こっている現象である呼吸を知覚するこの技法は、「今この瞬間に在る」とか「今ココに生きる」ことにつながります。そうすると、未来に対する不安や過去に対する思いなどから離れることができてきます。また、呼吸は生命の働きそのものなので、呼吸について深く理解していくことになります。意識的な呼吸は脳内ハピネスホルモンと呼ばれているセロトニンの分泌を促進するので精神安定にも大変良いです。
④シャリーラ・プレークシャー―身体の知覚
私たちは身体があるからこそ生活できたり活動できたり瞑想できたりします。この身体を知覚していって身体について理解を深めるのがシャリーラ・プレークシャーという技法です。シャリーラ・プレークシャーで各部位を知覚していくと全身の生命エネルギーの流れが良くなっていくので、健康にも大変良いです。
⑤チャイタニヤ・ケーンドラ・プレークシャー―霊的中心点の知覚
生命エネルギーが集中する地点がいくつかあって、この地点のことをケーンドラといいます。いわゆるチャクラです。各ケーンドラを知覚することでケーンドラが活性し生命エネルギーがより一層充実してきます。またケーンドラ付近には主要な内分泌腺があるため、内分泌腺の働きが活性されたり安定したりしてホルモンバランスが整ってきます。内分泌腺は人格と関連しているのでプレークシャー瞑想の大きな目的の一つ『人格改善』に役立ちます。
⑥レーッシュヤーディヤーナ―色彩瞑想
各ケーンドラに意識を向けながらそこに特定の色を思い浮かべる技法です。色も心身だけでなくケーンドラや内分泌腺に働きかけて人格の改善に役立ちます。
⑦アヌプレークシャー―沈思黙考・繰り返し
マントラや特定の言葉を繰り返し唱えて潜在意識を改善したり、「無常とは何か?」みたいなテーマについて論理的に考え抜くといったこれまでの技法とは少し経路の違ったやり方です。かのお釈迦様『ブッダ』も考える瞑想によって悟られたといわれていますが、プレークシャー瞑想にも考える瞑想という技法があります。
⑧マントラ・メディテーション
特定のバイブレーションや意味をもった言葉・讃歌、つまりマントラを繰り返し唱える技法です。マントラの持つバイブレーションや意味が自分自身に浸透していって潜在意識や人格の改善向上に働きかけてくれます。雑念から解放され集中力が高まります。
3.効果を引き出す5原則
プレクシャ瞑想の効果をより一層引き出すために気を付けたほうが良いことが5つあります。これらは日常生活をより良くするためにも役立ちますので、できる範囲で日常に取り入れてみてください。
①バㇵーヴァクリヤ…気づき・調和のある生活
日常で気づきや調和を伴う生活を送ることです。たとえば、通勤のとき、階段を上るときは歩いているときに起こってくる感覚に意識を向ける、などとほんの数分でもよいので日常場面を切り取って気づきが起こってくるような状況にすると良いです。
②プラティクリヤ・ヴィラティ…反応しない
私たちの五感はつねに無意識に反応していますが、そのことに気づいて、むやみやたらに反応しないようにしよう、というのがプラティクリヤ・ヴィラティです。たとえば、何かにおいがしてくると「これってたい焼きかな?」なんて思いが発動します。すると、キョロキョロしてたい焼き屋さんを探し、発見すると「おなかが空いてるし食べたいな~」となってお買い上げ。。。こんな風に感覚器官が外部刺激に刺激されると感情が起こって次の言動につながるわけです。この仕組みに気づいて反応しすぎないようにして、無駄なことや不要なこと、良くないことなどをしないようにしていくのがプラティクリヤ・ヴィラティです。
③マイトゥリ…友好・友愛
生きとし生けるものと仲良くしましょう、というのがマイトゥリです。たとえば、蚊がプ~んと飛んできたときに無意識に「パチン」とたたき殺すのではなく、蚊も魂レベルでは兄弟姉妹なのだから優しくしよう、というふうにできるだけ殺生しないようにします。
④ミット・アーハーㇽ…食の自制
"You are what you eat."「自分は食べたものでできている」という言葉があるように、食は私たちに大きな影響を及ぼします。ジャイナ教徒は厳格な菜食主義ですが、厳格にやらないとしても自分に適した食物を適量いただく、あるいは食べないというふうにすることです。食が適切だと、ちゃんと感じることができるようになりますし体調も良くなり、瞑想もしやすくなりますし日常生活も送りやすくなります。
⑤ミット・バㇵーシャン…言葉・発話の自制
言葉・発話を適量・適切にすることです。話した方が良い時もあれば話さない方が良い時もあります。言葉の表現・質にも気をつけます。
4.インフォメーション
●技法実践例
第12講ー4ステップ瞑想でご紹介します
●もっと学びたい
オンライン講座—プレークシャー瞑想基本12講を受講してみてください
オンライン講座—プレークシャー瞑想発展12講を受講してみてください
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